2017/11/10

JAPAN CUP

 

開会式は11月3日の文化の日、雲一つない快晴の下、伏見桃山城の天守閣を臨む京都市の伏見桃山球場にて行われた。今年で第7回を迎えたジャパンカップは、プロ球団×3、クラブチーム×2、高校×4、大学×2の全11チームが出場する日本の女子硬式野球チームの最高峰を決する大会で、決勝戦が行われる11月5日の最終日までの全日程3日間をトーナメント方式で争われる。JP1

この開会式では京都市・村上副市長が「少女達の野球をしたいという思いを実現する為にも、女子野球をもっと普及させたい」との訓示を述べ、この大会の開催意義を示した。まだ世間では認知されているとは言い難い女子硬式野球では、「野球をしたい」という純粋な気持ちを抱く数多くの女性達が「野球」という「夢」を諦めなければならない悲しい現実が有り、「彼女達が大好きな野球で輝ける場を作りたい」という女子野球界や関係者の切実な思いが「女子野球の普及」へとつながって行く事を期待したい。

ZENKO BEAMS は先日のクラブ選手権で優勝した結果、クラブチーム1位のチームとして出場する機会を得たメンバー13名は、皆が一様に晴れ晴れとした面持ちでこの開会式に挑んでいた。

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過去6回の大会では、アマがプロに勝利したのはわずかに1度のみという中で、同日第三試合で対戦する相手の京都フローラは、地元京都が誇る文字通り「プロ球団」であり、元プロ野球選手の半田選手、田中選手、中村選手の3人はかつてのチームメイトとの対戦ともなる事から、笑顔の中にも闘志が漲っており、他のメンバーも憧れのプロ球団との真剣勝負を前に、緊張感が漂っていた。

 

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同日の第一、第二試合は共にプロvsアマの対戦であったが、第一試合 【兵庫ディオーネ 12-3 アサヒトラスト】第二試合 【埼玉アストライア 2-0 至学館大学】といずれもプロの壁に阻まれる結果と成った。

 

BEAMSが京都フローラと対戦する運命の第三試合はPM3時10分に始まった。キャプテンの半田選手が先発投手を務め、序盤から相手打線を順調に抑えて行く。球のキレが非常に良く、各守備陣もプロの強い打球に対応してバックアップし、相手打線を見事に0点で抑え続けた。

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JP5この試合に際しては、BEAMSの勇姿を一目見ようと、ゼンコーグループから40名を超える関係者が応援に駆け付けた。株式会社ゼンコーの長岡支社長と熊谷係長による楽器演奏を始め、応援団長を自認する株式会社ゼンコーサービスの菊池係長を中心とした社内応援団と、メンバーのご家族の方々やBEAMS関係者が一体と成ってスタンド全体で熱い応援を展開し、選手達を鼓舞する。

 

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試合は白熱した投手戦が続き、6回まで両チーム共に無得点が続いていた。圧倒的な戦力差が有ると思われていたプロ相手に、善戦を続けるBEAMSの戦いぶりにスタンド全体がどよめき、一塁側スタンドは興奮に包まれる。

いよいよ最終回、残念ながらBEAMSは無得点で終わり、残すは相手の攻撃のみとなる。これを抑えれば、勝敗は「抽選」による決定へと持ち込まれるという状況の中、無死二塁の場面で相手チームの4番打者が送りバントを行い、更には後続がスクイズを試みた。「絶対にアマには負けてはならない」という至上命題を持つプロの本気のプレーを引き出したBEAMSは、それを何とか防ぎ、一時は「無死満塁」から「二死二、三塁」まで好転させた。しかしながら、レフト方向へ上がった打球は、無念にもレフトの頭上を越えてしまった、これにより「プロに勝つ」という夢は儚く潰えてしまった。

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今回、プロをあと一歩のところまで追い詰めながらも残念な結果に終わってしまったBEAMSであるが、スタジアムにいた多くの人々に強烈なインパクトを残した。その健闘ぶりはスタジアム内を興奮させたのは疑いなく、試合後、多くの人々がBEAMSのメンバーの周りに集まり、中には相手チームの京都フローラファンの方も健闘を称えていたのはとても印象的であった。

 

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帰り際、兵庫ディオーネのユニフォームを着た方々からこの様な言葉を掛けられた。「ZENKOさん、また来年も期待していますよ」また来年、是非ともこの大会で、雪辱を果たし歓喜するBEAMSを見られる事を期待したい。

 

 

 HP委員会 記事 / 長谷川 写真 / 渡部

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